昨日は小沢幹事長不起訴とこのニュースでもちきりでしたね。トヨタのリコール問題がかすんでしまうほどで。
個人的な意見を言えば、朝青龍の力量やスター性を買っていたので、彼の勇姿をもう土俵上で観られないと思うと、とても寂しいです。同時に、本件（暴行による傷害。しかも一般人相手）はこれまでの不祥事とは訳が違うので、引退はやむなしというか当然とも思います。複雑な心境ですね。
彼のスゴさは、土俵上での動きの速さ、仕事の多さにあります。幕内力士は太っているとはいえそれほど鈍重なわけではないのですが、彼の動きのキレ味は際立っていました。こういう風に強い力士を、私はあまり観た記憶がありません。
そしてもう一つ、ここ一番の時の集中力。そして勝負にかける気迫。昨日彼自身が言っていたように、土俵の上での振る舞いが粗暴だったのは、そうした心理状態からついつい出てしまったものでしょうから、私は寛大に評価してあげるべきだと思います。
他にも長く一人横綱の地位を守ったこと、初顔に絶対負けなかったことなど、評価できる点はたくさんあります。そして何より、嫌われ度も含めて断然注目されるいわば「カリスマ力士」でした。春場所以降の興行が白けることが懸念されます。憎たらしいけどいなくなってみれば寂しい、という人がよくいるものですが、朝青龍はまさにそういうタイプだと思います。
彼に対しては「横綱の品格」を問う声がやむことはありませんでした。当面大相撲は白鵬の一人横綱時代が長く続きそうです。「横綱はいかにあるべきか」という命題は、これからも議論されていくことでしょう。私個人は、理想の横綱像は時代とともにある程度変わっても構わないのでは、と考えます。そして朝青龍については、名横綱・大横綱の名に値する人だったと。