ライフログの効用

投稿者: | 2010-02-11

先に「スマートフォンはライフログ端末として活用したい」といったことを書きました(こちらの記事)。

ライフログといっても具体的に何を記録するのか、というのは後回しにして、ここでは「人生の様々なデータや情報をできるだけ漏らさず記録すること」とざっくり捉えておきましょう。特定の映画の印象に引きずられるのが何ですが、「トータル・リコール」という別名は、本質を良く表している気がします。

さて、表題である「ライフログの効用」について。予想というか空想レベルなので、考えられることを列挙してみます。

過去をより緻密に正確に振り返ることができ、「記憶違い」がなくなる
記録されているのだから、当然ですよね。人はえてして思い出の中で過去をねじまげるものです。あるいは、思い出したくないことは記憶から消し去ったり。そこには心理的にプラスの面もあるでしょうが、ライフログのある人生では、現実・真実に向き合うことが求められます。

過去とのつながりを保って生きやすくなる
記録があるのですから、過去を振り返りやすい。しかも正確に。となれば、過去を振り返ることは今以上に楽しい営みとなるのではないでしょうか。話が飛躍するようですが、ライフログは認知症の予防にもいくらか役立つのではないか、と思います。

「人生の物語」をつくりやすくなる
今まで自分はどう生きてきたか。それを総括する、いわば「物語」ができやすくなると考えられます。それはきっと、その後の人生を生きる際の指針や励ましとなるでしょう。仮に失敗続きの人生だったとしても、頑張った自分がいれば、それはきっと認められるはず。むしろ問題になるのは、まともな物語ができないほど受動的・消極的な人生を送った場合でしょう。

子孫などに人生を伝えられる(いわゆる「生きた証」が遺る)
これ、結構重要な役割ですよね。ただ誰しも思いつくことなので、特にコメントしません。

データを分析し、生活の向上・改善に活かすことができる
自分を深く知るツールとしても活用できるんじゃないでしょうか。そしてそこからわかったことは、その後の人生において、活かすことができるはずです。分かることとしては、強み、弱み、嗜好、行動傾向、反省点などが挙げられます。

私が思うに、これからはライフログを残すのが当たり前になることでしょう。いくらかの手間やコストを大きく上回る効用が得られるからです。問題は、ライフログを残すかどうかではなく、残すことは前提とした上で、どんなものを残すか、どう活かすか、ということだと思います。ライフログが常識化した社会では、今の我々とは人生観がかなり変わってくる可能性があります。180度転換とは言いませんが、90度転換、くらいには。

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