ここへ来て、韓国企業、とりわけサムスン電子の強さが際立っています。
バンクーバー五輪のフィギュアスケート女子シングルでキム・ヨナが圧勝したこととあいまって、「日本は完全に韓国に追い越された」という論調も、一部にあります。
先日、友人とこの辺のことを語り合ったので、現時点での自分の認識をまとめておきます。なぜ韓国企業は強いのか。
ウォン安
最近はかなり是正されていますが、為替が韓国企業に有利に働いた面はあったでしょう。
スピード感
これは韓国企業の良さというより、日本企業の欠点といった方がいいかもしれません。日本企業は、はっきり言ってのろまです。
国内は寡占化
IMF信託統治のおかげもあって、国内の企業はかなり再編が進み、多くの業種・製品で寡占化が進みました。どの分野でも、国内のライバルはせいぜい1社か2社という状況。車にしろ家電にしろ、メジャーなメーカーが文字通りひしめいている我が国とは対照的です。
事業の「集中と選択」
日本でもスローガンとしてはよく語られますが、実際には言うほど進んでいないようですね、選択と集中。韓国企業はそれに比べると、企業の立ち位置がはっきりしています。それが、次に述べることにもつながります。
大胆な投資
自分たちが何で勝負するかがはっきりしているから、打つ手が大胆です。
国際展開
日本と韓国を比べると、人口は倍以上も違います。国内マーケットの規模が全然違うんですね。で、日本企業の方は良くも悪くも国内市場で稼ごうとしますが、韓国企業は海外に打って出ないと大きくなれない。「国際化」「グローバル化」に懸ける意気込みが違うんですね。
モーレツな仕事ぶり
これは印象論に近いものがありますが、韓国の大企業のサラリーマンは、日本企業の人よりモーレツに働くようです。実はこうした部分も、企業の体力を大きく左右しているのは間違いありません。日本人も労働時間の長さでは負けていないかもしれませんが、いかんせん効率が・・・。
ともあれ、以前は「安かろう悪かろう」イメージだった韓国製品ですが、品質やデザインにおいて日本製に遜色ない、あるいは凌駕しつつあるのが実情のようです。今後もこの快走が続いて、世界のものづくりのトップランナーとして君臨し続けるのか、注目していきたいと思います。