3月31日のNHK「クローズアップ現代」は、「あなたの寄付が社会を変える」でした。
寄付についての話題も興味深かったのですが、強く印象づけられたのが、NPOの脆弱さ。特に財政基盤のそれです。私がNPOに注目して10年は経つかと思いますが、この辺は10年前とあまり変わらないんじゃないかと思います。
表題の件について。理由はいくつも挙げられます。日本人は「お上頼み」の意識が強く、民間の団体はあまり信用しない。マイナーであるがゆえに優秀な人材の流入が少なく、それゆえにマイナーから抜け出せないという悪循環。行政は悪用されることを恐れて、NPOの育成を本気で考えちゃいない。などなど。
私なりに小さくない理由だと思うのは、非営利団体あるいは非営利組織といった時、多くの日本人がボランティアを連想するために、NPOが金を稼いだり金を集めたりすることに違和感のようなものを持つということがあることです。定義上「非営利」というのは、出資者に収益を分配しないということであって、団体自体が利益を上げることを否定しているわけじゃないんですけどね。
ともあれ、NPOの意味や存在価値が理解されていない、あるいは認められていないことが、根本の原因だと思うのです。どうすればいいか。それにはもちろん活動の実績を積み重ねるしかありませんが、それ以前に深い意味でのPRが大切な気がします。活動そのものに割くエネルギーや時間の幾分かでも、PRに充てる必要があるんじゃないでしょうか。「良いことをやっていれば、自然と伝わる」というのは、現実には絵空事でしかありませんから。