ガンバリズムから脱却しよう

投稿者: | 2010-05-06

基本的に、無意味な根性論を振りかざす人が大嫌いです。

これは大人になってからそうなったのではなく、ほとんど物心ついてからそうでした。たぶん私は、平均的な日本人からすればかなり偏った合理主義者、なんだろうと思います。

そうした意味で、この記事には興味を惹かれ、また大いに共感もしました。

スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム:桑田真澄氏の提唱するTEN本ノックに、正しい練習の姿を知った件。

本数はともかくとして、ダラダラと長時間やる練習が無意味なのは道理。短時間で効率的に練習すべきという桑田氏の提言は、ごくごく当たり前の指摘です。・・・子どもの頃からコツコツ毎日続けることが一流への唯一の道。逆に言えば、桑田氏が改めてそんなことを言う必要があるほど、野球界に精神主義は横行しているのです。

基本の大切さ、楽しむことの大切さ、続けることの大切さ。いろんなことを教えられた気がします。投手であった桑田氏が、「正面に来たものを確実にアウトにすることが大事なんです」と言っているのも印象的でした。そして何より、野球界にいまだはびこる根性論・精神論に対して、桑田氏が並々ならぬ反感・敵意を持っていることが見て取れました。

桑田氏の「挑戦」がうまく行くかどうか、わかりません。でも彼の問題提起によって、日本のアマチュア野球界の練習の質が向上し、ひいては多くの人が野球を楽しむようになるといいな、と思います。

そして同時に、日本社会にいまだはびこるガンバリズムの風潮に風穴を開けたいものです。ガンバリズムとはすなわち、頑張れば自ずと成果につながるという、楽観的というより能天気な考え方です。

何事においても一定の努力は必要でしょうが、いかに努力するかがとても重要です。その際、科学的知見や先人の知を可能な限り活かすことで、時間効率をできるだけ高めることが求められます。それで生まれた生活上の「ゆとり」を、人としての根っこを深めることに費やす。読書であったり、友との語らいであったり、別分野の趣味であったり。どんな分野でも、成長の限界を決めるのはそうした人間としての容量なのではないかと思うのです。

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