経営の不易と流行

投稿者: | 2010-05-19

日経ビジネスオンラインの記事「「変化の時代」に「変わらない価値」が評される」をネタに、経営について企業について考えてみたいと思います。

まずは、不易と流行について。「経営の教科書」著者の新将命氏は、次のように述べます。

渋沢栄一は「右手にソロバン、左手に論語」という言葉を残していますが、私がこれまでのビジネス人生でいつも意識してきたのは、「右手にコンセプト、左手にハウツー」が必要なのではないかという思いでした。

いつの時代にも変わらないものがある。それが不易です。企業規模によっても、それほど変わることがない。業種業界、国籍国境を超越する。洋の東西を問わず、どこでも通用する。そういう不易が経営の世界にあるとするならば、経営者はまずそれを身につけるべきだと私は思っていました。

今の時代、ともすれば流行=ハウツーに流されがちなので、不易の大切さを強調してもしすぎることはないと思います。

さて問題は、では経営における不易とは何か、ということ。「経営の教科書」はまだ読んでいないので、現時点での私の考えを手短にまとめると、こうです。

自分たちの企業は何のためにあるのか、をはっきりさせる
いわゆるミッションとか基本理念というヤツです。これを社員に定着させることはもちろん、企業活動のあらゆるところに浸透させなければなりません。口先だけでいいことを言う経営者は少なくないでしょうが、実態はお寒いものだと思います。

顧客価値の創造が先、利益は後
儲けを先に追求し、顧客のことを後回しにするようでは、そもそも持続的に利益を上げることができません。それはつまり、短期的な利益、個々の取引での利益より、長期的な利益、トータルでの利益を重視する、という姿勢の問題でもあります。

従業員がいきいき働いてこそ会社は輝く
上2つは、割と多くの人が納得するものでしょうが、この3つめは、まだ「非常識」の部類に入るかもしれません。ただ、顧客を感動、さらには熱狂させるには、従業員自身が自分のビジネス・仕事に心底惚れ込み、持てる能力をいかんなく発揮してくれなければなりません。今後こうした側面は、ますます露わになってくると思います。企業の競争力格差として。

「不易と流行」という言葉自体は、不易ですね。「経営の教科書」を読んだら、また感想や勉強になったことを書いてみたいと思います。

さて今日は、こんな言葉にも出会いました。上記のような考えの私にとっても、おおいに頷けるものです。

いまのご時世にこれから会社を作ろうという人にまずお伝えしたいのは、できるだけ普遍的で、強固でユニークな理念を作ろう、ということだ。百年後の若者が、それに共感してそれを一生の仕事に選んでくれるような理念である。

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