これからの都市生活者の理想像

投稿者: | 2010-05-28

先日紹介したうさぎ小屋2.0に関連して、表題のようなことを考えてみます。

やはり私も、持たない暮らしは理想です。今はその理想にほど遠いですが。「所有から利用へ」なんてキャッチフレーズがありますが、環境の点からも、コストの点からも、空間の節約という点からも、モノを多く持つのではなく、必要な機能を必要なだけ利用するのが、これからのスマートな消費者、ということになるのでしょう。

確かに、人にはフェティシズムのようなものがあります。これについては、自然に衰えるのを待つか、ある特定分野に限って満足させるのが賢明かと。いずれにしろ、「モノがあふれる暮らしは、幸せ」という価値観は、今世紀の我々、とりわけ都市生活者にはありえない選択肢となります。

ただそんな中でも、汎用的なデジタル機器へのニーズは衰えそうにありません。具体的には、パソコン、スマートフォン、そしてiPadの登場で加わりそうなタブレット型端末。人によっては、モバイル・ノートパソコンが必携かもしれません。ともあれ我々は、複数(最低でも2台、多ければ4台とかそれ以上)のコンピュータ端末を所有し、それらを使い分けるのが当たり前になってきます。というか、そうなりつつあります。

私自身、そうした暮らしになりつつあるに従い、2つのことが明確になってきました。

  • データや購入済みコンテンツは、クラウド化してくれていた方が都合が良い
  • それぞれの端末がネット接続を必要とするが、機器ごとに契約や設定をするのは非効率

ということです。要は、複数ある端末のおのおのに縛られずデータやコンテンツにアクセスしたいし、その際のネット接続も、できるかぎり一元化したいものだ、ということ。どうやら時代の方向は私の理想の方に向かっているようで、その点はワクワクしています。

さて「所有から利用へ」に話を戻すと、上の「うさぎ小屋2.0」を読んで、私は黒川紀章氏が「共生の思想」に書いていたことを思い出しました。それは、東京には便利なお店がいっぱいあるのだから、それを上手く活用すれば、日本人は世界一豊かな都市生活を送れる、といったものです。

自宅でいろんなことを賄うより、街にある施設・設備を一定時間利用する方が、費用対効果に勝るでしょう。そして人々がそうしたライフスタイルを好むようになれば、大都市には今以上にニッチでユニークなビジネスが生息しえるようになるはずです。

まとめて言えば、持つモノを「選択と集中」し、あとは都市にある「機能」をうまく利用する。そしてできれば都市ならではの多様な人との出会い・交流を持つ。そんなのが、理想なんじゃないですかね。

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