誰もが日々実感していることと思いますが、身の回りを流れる情報が多くなればなるほど、その一つ一つに割くことのできる時間や関心は減っていきます。
要は、多くの情報を処理するために、関わりはどんどん表面的になって行かざるを得ないのです。もとよりこれには個人差・能力差があって、多量の情報処理と「深さ」をある程度両立できる人もいることでしょう。けれども大きな傾向としては、「量」と「深さ」は反比例する、というのは全ての人に当てはまることかと思います。
まずはこの事実をしっかりと自覚すること。そして、入ってくる情報の「窓口」を意図的に抑制したり、時に「窓口」を整理したり、日常の中に立ち止まって考える時間を取ったり、ということが必要でしょうね。現代の我々にとっては、情報の海でいかにして溺れないようにするか、ということが重大な課題なんです。
もしかしたら、いずれはコンピュータが情報のフィルタリング機能を持つようになるかもしれません。パソコンやWebサービスが選んでくれた適量の情報を毎日摂取するようになる。あっさり言ってしまうと悪夢のような未来像ですが、案外多くの人がこれをスンナリ受け入れるような気もします。
ともあれ、情報が豊富だからこそ、情報といかに付き合うかに無自覚でいられない。現代は、そういう時代なんだと思います。