人にあってコンピュータにないもの

投稿者: | 2010-07-01

先週、ソフトバンクの「30年ビジョン」発表会をUstreamで観ました。

そこで孫正義社長が盛んに強調していたのが、あと10年足らずでコンピュータの能力は人を超える、ということです。細かい部分での反論や異論はありえるでしょうが、遠からずコンピュータの方が賢くなる、というのは間違いないでしょう。何しろ、進歩のスピードが物凄いですから。

で、その時に問われるのは、人がコンピュータに対して持つ強みって何だろう、ということです。コンピュータの方が遙かに巧みに、あるいは素早くできることを、人が張り合っても仕方ないですからね。

回答はいろいろあるでしょうが、私は「心」と「社会」が決め手になるんじゃないかと思います。心があるがゆえの欠点も当然あるでしょうが、心があるゆえに人は尊い、ということの方が多いのではないでしょうか。また、人は人との関わりの中で人としての価値が生まれるし高まります。遠い将来はコンピュータが心や社会性を獲得する、なんてこともあるかもしれませんが、知能といったものに比べれば、人が優位であり続けられる期間はずっと長いことでしょう。

人とコンピュータのライバル関係が強く意識されるようになれば、きっと人にだけあるものの価値は上がり、コンピュータに負けるものの価値は下がるでしょう。それは仕方のないことですが、どこかでゆがみを生むんじゃないか、という気もします。現に「記憶力」の価値はここ20~30年で随分低下したと思われますが、やはり記憶力はないよりあった方が幸せに決まっています。

ともあれ、コンピュータという強力な利器を手にした人類ですが、それによりライフスタイルや社会のあり方が大きく変容していくのは確かでしょう。最後に悪乗りの想像をすれば、人が人と付き合うより、コンピュータやアンドロイドのたぐいと接している方を好むようになる、ということだって、あり得ない話じゃありません。「コンピュータとどう付き合うか」「コンピュータとどう対峙するか」は、これからますます重要なテーマとなりそうです。

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