遺言は、書けばいいってものじゃない

投稿者: | 2010-07-06

「教えて!goo」に、こんな質問が登場しました。

遺言書は実はあまり意味がない? – 法律 – 教えて!goo

質問者は遺留分という言葉・概念を知らなかったようなので、少しピントがズレている部分もありますが、質問の核心はいいところを衝いてるんじゃないかと思います。つまり、遺言は無視される可能性があるということ。

まず、相続権のある人同士であれば、改めて遺産分割協議をして相続分を変えてしまうことは可能です。またこれは「無視」というより制限ですが、相続人の遺留分を侵害する遺言は、遺言者の意思通り実現しない可能性が大きいです。

遺言の普及を人生のミッションとする私ですが、遺言を万能薬だとはもとより思っていません。

ただこの「限界」、立法と運用でかなり押し広げることができるはずです。

立法としては、遺言者の自由を拡大する方向で改正する。具体的には、法定相続ではなく遺言による相続を「原則」にする、遺留分を縮小もしくは廃止する、といったことです。

運用とは、何と言っても事前に家族とよく話し合っておくこと。元の意思がそのままで実現しそうにない、と悟ったら、修正もためらうべきではありません。

こんな記事がありました。一澤帆布の件も、遺言があったばかりに・・・の格好の例ですね。

「一澤帆布」の泥沼相続紛争は「遺言」が罪つくり

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