「自己責任」が嫌いですか?

投稿者: | 2010-07-25

「自己責任」という言葉が嫌いな若者、少なくないようです。

これは、致し方ない面もあります。いわゆるゼロ年代(特にその前半)、この言葉が若者(とりわけ非正規雇用に従事したり職を得られない若者)を切り捨てる文脈で使われるケースが少なくなかったからです。「それはお前の自己責任だ!」という風に。

もともと自己責任というのは、金融やコンピュータ関係の分野で使われる用語だったと思います。「リスクは自分で取ります」ということ。裏を返せば、損したり損害をこうむっても、それは自分で引き受けます、ということでした。それからすると、求職に関してや人生全体について、自己責任を言う、しかも大人が社会が責任逃れする口実として自己責任を使うのは、大いに問題がありましょう。

ただ私から見ると、最近は自己責任という言葉や概念を毛嫌いするあまり、かえって社会や他人のせいにしたり、自分の人生を自分で引き受ける、という気概のとぼしい若者が、チラホラいるように見受けられます。自己責任という言葉を否定したところで、「自分の人生は結局、自分で引き受けるしかない」という現実は変わらないのに・・・。

自己責任という言葉がはびこる前、我が国には自助努力という言葉がありました。その両方が大事だと考える私などは、どちらを使っても構わないのですが、自己責任という言葉にいやらしさを感じてしまう、という方は、自助努力という言葉を復権させてはいかがでしょうか。

自己責任という言葉を毛嫌いするあまり、自分の人生の質を下げてしまうとしたら、それはやはり自己責任、と言わざるを得ませんから。

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