死刑が執行された

投稿者: | 2010-07-29

昨日、2件の死刑が執行されました。

千葉景子法務大臣はかねてより死刑廃止論者であることを公言していました。しかも彼女は先の参議院選で落選し、大臣のポストに居続けることの正統性に疑問を持たれている身、思い切ったことはしないだろうと思っていました。なので昨日ニュースを目にした時には、「ホントかよ!」と驚きを禁じ得ませんでした。

もとより私は死刑制度に賛成の立場ですので、法相の決断を非難するつもりはありません。また大臣として初めて刑の執行に立ち会ったというのも、覚悟の表明と受け止めたいと思います。そしてもちろん、昨日の2名は「あの事件の犯人なら・・・」と万人が納得するよう、慎重に吟味されたことでしょう。

その意味で、死刑に賛成する一方で千葉法相を非難する人は、やや考え方が硬直的すぎるのではないかと思います。死刑反対派の人が「裏切られた」と感じて、非難するのは理解できるんですけどね。

それにしても、実のところ千葉法相の「心変わり」はよく理解できません。正統性に疑問符を付けられている状態に居心地の悪さを感じ、せめて法務大臣の職責を果たさなければ、と思うに至った、というところでしょうか。

今回の件で、死刑にまつわるもろもろの問題が議論されるきっかけになるなら、千葉法相の功績、と言えるかもしれません。でも本来は、死刑に反対の人は法務大臣になるべきではないし、選挙で落選した人が2ヶ月ほども大臣の座に止まるべきではないんですけどね。

個人的には、死刑制度の是非だけでなく、死刑を適用する「相場」の妥当性、死刑制度の運用に問題はないのかどうか、という点も話題になるといいな、と思います。廃止論者には悪いですけど、存廃の問題は「存続」で勝負が付いた状態でしょうから。

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