夏はお祭りのシーズンでもありますね。もうピークは過ぎたかもしれませんが。
テレビなどで時々、年に一度行われる地元の祭りを「生きがい」のようにしている青年を観ることがあります。青年と言いましたが、大抵の場合は男性で、しかもそれなりに若い男の人であるケースが多いんですよ。
私はもともと地元の行事なんかにノリノリで参加するたちではないので、ああいうのは真似しようと思ってもできません。けれど、準備を含め、年に一度の祭りで思いっきりハジけるというのは、素敵な生き方だと思います。
私の偏見かもしれませんが、西日本には、そんな風に男を熱くさせる祭りが、多いんじゃないでしょうか。
自分は参加する側になれなくても、せめて日本のいろんな祭りをもっと見て回りたいなぁ、という願望はあります。できれば、祭りの表面を観るだけじゃなく、「中の人」の思いなんかも知ることができると、きっと味わいも数段深まることでしょう。その点で、テレビが参加者に密着したドキュメンタリーをつくってくれるのは、とてもありがたいものです。
谷崎の「細雪」に、家族(というか、姉妹揃って)で桜をあと何度観られることか、と感慨にひたる場面が出てきます。私などは、桜や花火を観る時、それに似た気持ちを持つようになりました。まだ寿命が差し迫っていると感じているわけではないですが。「祭り」も、地元のお年寄りには、そんな風に今生きてある時間の貴さをひりひりするくらい感じさせてくれるものなんでしょうね、きっと。そしてそれは、「血が騒ぐ」と言っているような若者たちとは、かなり異なった心境でしょう。