自己啓発本、食わず嫌いはもったいない

投稿者: | 2008-07-12

ノンフィクション部門の単行本ベストセラーでは、自己啓発とか仕事術といったジャンルの本が数多く上位に食い込んでいます。一方で、この手の本は読まない人は一切読まない。まあ、これは書籍のジャンルすべてに言えることですが。

でも、この手の本はすべての人に読んでほしい。たくさん読めとは言わないので、5冊とか10冊読んで、自分に合ったものを数冊見つけ、それを「座右の書」としてほしいんです。

なぜこの手の本をすすめるか。それは、これまで人類(といっても大半は西洋人ですが)の優れた知性が試行錯誤して、ある程度答えが出てきた「人生の質を高めるための知恵」が、これらの本には散りばめられているから。読めば分かりますが、この手の本が言っていることには、共通する部分が非常に多い。それは言い換えれば、「どうすればより良い人生を送れるか」ということについては、定石やセオリーといったものが確立されつつあるということなんです。

もちろん、その定石やセオリーを自力で一から見つけようとするのも結構です。ですが、それでははっきり言って死ぬまでに見つからないかもしれない。それよりは、すでにあるものを自分なりに咀嚼する方が、ずっと賢明と思いませんか?

こうして私が「食わず嫌い」の人に自己啓発本をすすめるのには、その人のためになるということの他にも理由があります。それは、これらの本に書かれていることを理解し、生活の中で実践する人が増えれば、世の中が全体として良くなる、と確信しているからです。

まずこの手の本は楽観的思考・前向きな思考に満ちているので、世の中が明るくなる。さらに、自己啓発本を血肉化している人が増えれば、その人同士で仕事したり家庭生活を営んだりしたときに物事がスムーズに運ぶ。我々はより豊かで、実り多き人生を送れるようになるでしょう。そして何より、こうした知恵を自らのものにした人が増えれば、それを持ったまま生きるのが容易になり、ますます社会に浸透が進む。好循環が期待できるんですね。

ということで、まだあまりこの手の本に触れたことのない人は、一度だまされたと思って読んでみてください。この時、過度に批判的な態度で読まないことがコツですよ。

蛇足1:個人的には、21世紀の世界を良くするのは、こうした自己啓発本が浸透することと、良質な宗教が復興することにかかっていると予測します。後者については、また改めて詳しく。

蛇足2:上記のようにメリットの多い自己啓発本ですが、それを読むことが自己目的化したり、あるいは栄養ドリンクのようになり、いろんな本を読みあさる人がいます。こういう中毒みたいなのはやはりよろしくないので、注意を喚起しておきます。

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