生前葬で「ありがとう」

投稿者: | 2010-09-22

先日最終回を迎えたフジテレビの「エチカの鏡」。最後は、余命告知がテーマでした。

物故者も含め、余命を宣告された人が何人か紹介されたのですが、中に生前葬を行った方も登場しました。料理屋を経営していた人で、とても人なつっこい人。病気を知って落ち込んでいたものの、店の常連さんが見舞いに来てくれたのをきっかけに、生前葬(「最後の晩餐会」と銘打っていました)をやることを決めた、という話です。

印象的だったのは

  • 本人が手書きの招待状(達筆でした!)を書いていたこと
  • 120人もの人が集まったこと
  • 生前葬、しかも主人公は末期がん患者なのに、ちっとも湿っぽくなかったこと
  • 会の終わり、本人が参加してくれた人一人一人に「***をありがとう」と感謝の言葉を伝えたこと

でした。「ありがとう」は全員に言ったのか定かではありませんが、再現ドラマの中では、具体的な事柄について、その人に向かって「ありがとう」を言っていました。再現とはいえ、涙する人も・・・。

番組を観るまで、生前葬はシャレでやるのでない限り、参加する方もキツいよなぁ、と思っていました。また私自身は、あまりやりたいとも思っていませんでした。でもああういうのを観ると、「生前葬もいいもんだな」と思います。

本人は既に亡くなり、奥さんがインタビューに答えていたのですが、「やって良かった」としみじみおっしゃっていました。やるべきことをやった、という思い、そして会自体がかけがえのない思い出になっているといったことがあるようです。そして何より、亡くなってから手紙や録音・録画で「ありがとう」を言われるより、直に言ってもらった方が心に響くのは、間違いないですし。

「生前葬」という呼び方はちょっとどうかと思いますが、こうして生きているうちに縁あった人との集いを持つことは、案外いいかもしれません。自分のことはさておき、生前葬をやろうという方がいらっしゃれば、応援して差し上げたいと思います。

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