数日前、Twitterで興味深いつぶやきを見かけました。
テレビで、有名大学中退の芸能人が「高学歴芸能人」として紹介されていた、というのです。
確かに、日本では高偏差値の大学を卒業していれば、「高学歴」として認められます。トップレベルの大学であれば「**大学卒業」というのが、いわば勲章になるのです。
さすがに中退では、就職の時なんかには卒業した人と明確な差が付きますけどね。最終学歴という点では、大学中退者は高校卒業、高校中退者は中学卒業として扱われるのが普通です。
さて、上記のような「高学歴」観は、2つの問題をはらんでいると見ます。
まず、大学名に比べると学部名や専攻に払われる関心は著しく低く、大学で実際に何を学んだかが、ほとんど問題にされない、ということです。言ってみれば、入試を突破したという実績が、何より評価されるのです。少し奇妙ながらも大学中退者が「高学歴」ということになるのは、その辺があるからです。
そしてもう一つは、大学の学部レベルまでしか進んでいないというのは、今の先進国の常識では決して「高学歴」とは言えない、ということです。専門的に学んだ、と胸を張るには、最低でも修士課程までは修めていないと、話にならないのです。
上記のことは、これまでの日本社会がそうだった、ということで、良いの悪いの言っても仕方がありません。ただ今後「知識社会」が進展する中においては、今の状況を続けていると、様々な分野で日本人が世界で通用しなくなる、あるいは日本国内のプロが低レベルにとどまるのは、必定と見ます。