「万能薬」を求める心理

投稿者: | 2010-10-10

ネットでいろんな言論に接していると、「これさえすやれば、事態は劇的に改善する!」と言っているものに出くわすことが少なくありません。

もちろん、明示的にそんなことを言うほど無防備な人は少なくて、言葉の端々にそうした思いがうかがえる、といったレベルのことではあるんですけど。当の主張の内容に私が賛同していないだけに、そうした邪推をしてしまうのでしょう。

最近では、ベーシックインカムやインフレターゲットといった主張に、その匂いをプンプン感じます。端から見ていると、ありそうな弊害や危険性を顧慮することなく、いわば「バラ色」の未来図を描いているようにしか見えないんですよ。

これは精神論かもしれませんけど、世の中を善くするというのは、万能薬を服用すれば劇的に快方に向かう、なんてものじゃないはずです。予測不能な事態に対処することも含め、地道に穴を掘って行くとか積み木を積み上げるような作業だと考えます。

「この薬を飲めば、すぐに治りますよ」とか簡単に言うような人は、医師というより魔術師に近いです。とりあえず、そうした言論は眉をに唾付けて聞くようにしましょうね。簡単に乗せられてしまう人は、どこかに心の隙があるんだと思いますよ。

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