最近はあまり言わなくなりましたけど、菅直人首相のキャッチフレーズは「最小不幸社会」です。
これ、巷ではかなり評判悪いみたいですね。「元気が出ない」「後ろ向きだ」といった風に。菅首相が封印しているのも、きっとこれが不人気だからでしょう。
でも私は、政治家が「政治とはかくあるべし」として打ち出すものとしては、割と的確だと考えます。菅首相を支持するかどうかとは別問題、というか菅首相自身は支持しませんけど。
批判する人は、政治に対して過大な期待を持ちすぎなんじゃないでしょうか。あえて言えば、幻想を。
「最小不幸社会」が不適切だというなら、「最大幸福社会」を目指すべきなんでしょうか?そして現に、ネット上でそうした口吻を何度か目にしました。けれどこれは、スローガンとしては耳障りがいいかもしれませんが、政治のスローガンとしては危険だと思います。
政治は人々の幸福を実現できるんでしょうか?仮にできるとして、どんな手段を使えるのでしょうか?この2点について考えれば、政治家が「最大幸福社会」を約束するのはまやかしだとわかります。無理に実現しようとするなら、きっとどこかにひずみが出てくるんじゃないでしょうか。端的には、個人の自由を侵害する可能性が大、です。
私は、直接に自由を侵すものと戦うのはもちろん、自由をないがしろにしそうな危険な言説とも、戦うつもりです。