「調査」が成り立たなくなる

投稿者: | 2010-10-19

今月は国勢調査が行われました。

5年前の前回もそうでしたが、今回も存在意義が問われた調査となったようです。

正確に記載しない人や、提出しない人が少なくないようですし、「こんな調査、意味あるの?」とか「膨大な経費をかけてやるのは、無駄じゃない?」といった意見を持つ人もいるようです。

個人情報の保護に対して敏感な風潮がある中で、国勢調査に限らず、調査やアンケートに協力することを渋る人が増えているようにも思います。

もちろん、国勢調査の設計や運用において改善すべき点があれば、どんどん指摘すればいいでしょう。けれど、それに止まらず「国勢調査なんて、やめちまえ」と主張するのは、全然次元の違う話です。そして、そう主張するだけでなく実際に協力を拒否するなら、その人は制度崩壊を招く確信犯だと言わざるを得ません。

私がここで言ったからとて、流れが止まるものではないことはわかっています。ただ将来の日本が、まともな調査が成り立たず、結果、統計なんかにおいて「暗黒列島」のような状態になってしまいそうなことは、とても残念です。病気なんかでもそうですが、状態の正確な把握なくして処方箋は出せませんから。

それでなくても複雑化する社会。さまざまな政策は「当てずっぽう」にならざるを得なくなっていくことでしょう。調査というものをないがしろにした人たちのせいで。

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