世代間戦争の火ぶたは・・・

投稿者: | 2010-11-07

時々メディアで「世代会計」なるものが紹介されることがあります。

現下の日本では、あとに生まれた者ほど、税や社会保険料の「持ち出し」が多いという話です。ある世代より下は、もらうより払う額の方が大きい、つまり「払い損」だというわけです。急激に少子化が進み、世代人口があとに行くほど先細りの日本では、こうなるのは必定なわけです。

こうしたデータというか試算はよく紹介されるのですが、若い人たちの間に怒りや、「何とかしてくれ」とい怨嗟の声が広まっているようには見えません。これはどうしたことでしょうか?

一つには、まだまだその実態が若者に知れ渡っていないということが、考えられます。若者が社会に対して憤っていることはいろいろありましょうが、こうした財政構造上の不公平は、なかなか理解しづらいものです。そもそも、意図的かどうか知りませんが、テレビを中心としたマスメディアでは、あまり大々的に報じられることがありませんから。

そしてもう一つは、多くの若者は経済的な面で親に寄りかかっており、上の世代を責める気持ちになりづらいのでは、ということも考えられます。上記世代会計については、親が遺す遺産を考慮に入れれば、後続の世代はそれほど割を食っているとは言えない、という反論もあり得ますしね。確かに。

とはいえ、高齢者を現役世代が支えるという現行の仕組みを続ける限り、多かれ少なかれ後続世代が損をするような格好になるのは事実です。まずは世代間の「損得」について、きちんとした認識を広め、それを出発点に真正面から議論するような状態をつくっていきたいものです。

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