ドラマに描かれる仕事

投稿者: | 2010-11-11

ドラマでは、何らかの分野の「プロ」が主人公になっていることが多いです。

というか、恋愛モノか学園モノ以外は、ほとんどのドラマが何らかの「職業モノ」と言っていいと思います。医師、教師、刑事・弁護士、公務員等々。

この前、ある医療モノのドラマを観ていて、ふと感じました。「これ、医療のリアルな現場の空気とは、きっとかけ離れているんじゃないか?」と。まず気に入らないのは、登場する若手医師がいずれも美男美女なこと(そもそも私自身、好きな女優が出ていたのでそのDVDを借りたんです)。

そして、ドラマだから当然と言えば当然ですが、次々に「事件」が起こること。救命救急センターが舞台なので、普通の病院より慌ただしいのは自然なことでしょうが、それにしてもやはり・・・。

ドラマに「リアル」を求めすぎるのは、酷と言うものでしょう。視聴者が退屈して、観る気のしないものになってしまうおそれがありますし。またそもそもいくら取材をすると言っても、外部の人間がある職業の内幕をリアルに描くのには限界があります。

とはいえ、実際に働いている人の意見も聞き、あまりにひどい部分があれば直すことがあってもいいんじゃないか、と思ったのでした。

そんな矢先、こんな記事が。

医療ドラマ、医師が「診断」 : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

最近の医療ドラマは、医師による医療監修を受け、リアリティーを重視している作品が多い。南淵さんも「ブラックジャックによろしく」(TBS系)などの作品にかかわってきた。監修の内容は「エピソード案がほしいとか、脚本をチェックしてほしいとか作品によって違う」という。

気になるのは、医療がテーマではないドラマの場合。「心臓手術の場面を相談され、口からパイプを入れることを説明したら、『あ、それは女優の事務所がNGなんです』と言われたことがあります。アメリカのドラマでは、たとえワンシーンだけ出てくる医療現場でも徹底的にリアルに描かれていますが、日本はまだ差がありますね」

私がこんなことを言うのは、ドラマのせいで視聴者がその職業に誤った認識を持ち、結果として本物のプロの方の仕事の妨げになることがあるとしたら、それはやはりマズいと思うからです。またもっと甚だしい例としては、美化して描かれたドラマを観てある職業に憧れ、道を誤ってしまう青少年が出ないとも限らないからです。現に「金八先生」を観て教師を志した人は、少なくないと聞きますし。

ドラマを作る方々、特に脚本家や演出家の方々には、大変とは思いますが、娯楽性と現実性、両方の追求をお願いしたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください