2011年も引き続き、「脱・無縁社会」とでも言うべき絆の再生が、社会の各所で語られ、そして様々な取り組みがなされることと思います。
「再生」というと、元からあったものをよみがえらせる、あるいは、失われつつあるものを再活性化させるといった意味になろうかと思います。日本社会で言えば、地縁、血縁、そして職場の縁、といったものでしょうか。
確かに、これらも絆の拠り所として有力でしょう。また一般に言われているほど、これらの絆が絶滅寸前というわけでもありますまい。ただ、「我々の採るべき道はこれらしかない」と言われると、簡単には賛成できません。また、こうした旧来の絆が弱体化しているとするなら、そこにはそれなりに理由というか背景のようなものがあるはずです。安易に復古を唱えても、うまく行かないことが多いのではないでしょうか。
堺屋太一氏はこれらに代わる縁として好みの縁、「好縁」と提唱しておられます。一緒に楽しく過ごす間柄ならそれもありでしょうが、「絆」としては弱くはかないように感じられます。また昨今ネットでは「ソーシャル・・・」がおおはやりで、リアルの人間関係とも重なるある種のネットワークができつつあるかに見えますが、これも未知数です。
このエントリで「絆再生のカギは、これだ!」なんていう結論を出すつもりはありません。まずは多くの人が、問題意識を共有することが肝要なのではないでしょうか。