道徳教育を重視?

投稿者: | 2011-02-04

自民党参議院議員の佐藤正久氏。元自衛官で、イラクで「ヒゲの隊長」として名を馳せたあの人です。

ブログを愛読させてもらっており、政治家としても注目しているのですが、この記事には首をかしげざるをえませんでした。

佐藤正久(さとうまさひさ) オフィシャルページ » » ○ TPP参加で、日本の愛国心・道徳教育への懸念

TPPに参加した場合、日本の農業へのマイナス面がよく取り上げられているが、TPPの作業部会は全部で24あり、農業はその1つでしかない。

佐藤が懸念している1つは、日本の「教育」への影響である。

・・・外国資本が経営する学校で、愛国心を育む教育や、日本的な価値観、道徳心を教えることが可能か、否かである。世界的な競争社会において高い日本の教育レベル・技術レベルを維持することは当然であるが、その基盤である愛国心・道徳心の維持・強化も絶対に譲ってはいけない分野である。

だからTPPに反対、とまでは言っていませんが、TPPに対する色濃い警戒感・猜疑心がにじみ出ています。

愛国心は別の機会にするとして、道徳教育を考えてみましょう。TPP妥結の成否に関わらず、私立を含む日本中の学校・クラスに道徳教育を強制するのは、無理があると私は思います。中には、道徳教育に不熱心な学校、場合によっては無視する学校があってもいいんじゃないでしょうか。

ただし、道徳教育は知育の妨げになるどころかプラスの相乗効果を生むことだって考えられます。また適切な道徳教育がなされれば、社会人になったときにもそれは役立つでしょう。ですから、仮に国が法や規則で押しつけなくても、まともな学校なら何らかの道徳教育を施すでしょうし、また良識ある親御さんも、そうした点がきちんとしている学校(ここでは主に小中学校を想定しています)を選ぶのではないでしょうか。

そしてもう一つ。そもそも道徳教育は、他の科目と同じように「週に*時間」とか決めて授業をすれば成果が上がるという種類のものではないでしょう。そうした座学的なものもあって構いませんが、それ以上に学校生活の様々な局面を通じて、よく言う「見えないカリキュラム」として子供に浸透していくのが理想です。授業でいくら立派なことを教えていても、学校生活の規律がメチャクチャというのでは意味をなしません。あと、教師もそれなりにまっとうな大人でないと・・・(聖人君子たれ、とは言いませんが)。

道徳教育が大事、という点では佐藤氏と意見を同じくします。けれど、それを教育の場でどう実践していくべきか、となると、かなり隔たりがありそうです。もちろん、「道徳教育なんて一切不要!」などと言う人とは、真逆になりますけどね。そもそも、そんな人、います?

道徳教育を重視?」への1件のフィードバック

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