葬儀の場で、葬儀社の人やお坊さんがそう感じるケースが間々あるようです。
もともとご遺族の側にその意識が欠けていたり、もちろん全ての方ではありませんが、単に世間体とか見栄の部分で葬儀を捉える意識が少しでもあれば、それはもう努力すればするほど距離が開いていくような感覚もありました。
しかしそれは、身内の死が悲しくないという前提に立てば当たり前の話です。こちらは葬儀で故人を見送ろうという立場なのですが、相手は効率よく遺体を処理したいという立場だからです。言葉が過ぎるかもしれませんが、「死」に悲しみが伴わなければ結局そういう問題に帰着します。
トラブルなど、家族関係に問題があるのでしょうか。それともこれらの家族は、人としての情愛を欠く冷血人間なのでしょうか。
いずれにしろ、こうした現象が全国あちこちで見られるようになったら、由々しきことではないでしょうか。しかもそれが年とともに増えていくとしたら・・・。
無縁社会と言った場合、通常は単身者や、身内に先立たれた人に関わる話です。けれど問題の質は違うとはいえ、家族があったら安泰、とは言えなさそうです。日本人の家族に、そして日本人の心に何が起こりつつあるのか。慎重に見ていく必要がありますね、これは。