先日、書家の武田双雲さんがNHK「ラジオ深夜便」に出たときのお話を、ストリーミングで聴きました。
サラリーマンを辞めて書家になるまでのいきさつ、そして書家としての哲学のようなものが聴けて、興味深かったです。3月7日まで公開されているそうなので、関心のある方はどうぞ。
さて武田さんのお話で印象に残ったのが、「感謝メガネ」ということです。何でも、常日頃から感謝できること、良いことを見つけるようにしているんだそうです。そうすると、生活が楽しくなるのだそうです。また楽しいから、最近は以前より意識することが減った、とも話していました。そうしたモノの見方が定着した、ということなんでしょうね。
今の日本、批判や評論があふれています。ネガティブなモノの見方というか(←これ自体、ネガティブですね)。そうしたものに関わるのはやめて、前向きなもの、素敵なものを見つけて、称えるようにする。すがすがしい心の持ちようなのではないでしょうか。
トークの全編を通じて、武田さんは「書は人なり」ということを盛んに言っていました。書というのは白い紙に墨で字を書くというシンプルな営みです。だからこそ、そこには書く者の人となりが如実に表れるのだそうです。小手先のテクニックよりも、そうした生き様、暮らしざまの方が、「良い書」には大事なんだそうです。
感謝メガネというたとえを使うかどうかはともかく、自分のモノの見方を前向きにし、それを身に付けるというのは、どんな職業の人でも見習いたい姿勢ですね。武田さんは私より5歳下ですけど、素晴らしい方だな、と思いました。書家人生はこれからまだまだ続くでしょうから、さらに素晴らしい世界を創っていっていただきたいものです。