プロ野球開幕に思う

投稿者: | 2011-03-21

震災・原発事故と、それが引き起こした電力不足。プロ野球の開幕にも影響しています。

東北楽天を擁するパ・リーグは、早々と4月12日への延期を決めました。セ・リーグはいったん予定通りの開幕を決めたものの、選手会や世論の反発、それに文科省の介入を受けて、25日から29日へと繰り延べすることにしました。セ・リーグへの批判はまだ収まっていませんので、この決定通りに行くか、事態はなお流動的です。

報道によると、選手会(の一部)は「今はそれどころじゃない」というのと同時に、セ・パ同時開幕というのを目指しているようです。ここ最近はパ・リーグの方が一足先に開幕するのが半ば慣例化していましたので、この部分でのこだわりは、少し理解に苦しみます。

一方、世論の大勢は「計画停電などでみんなが大変な思いをしているときに、それどころじゃないだろう」というものです。ごもっともです。ネット上での言説を見ると、計画停電のうっぷんに加え、野球嫌い、巨人嫌い、ナベツネ嫌い、そして選手会への判官贔屓も加わり、セ・リーグを悪し様に罵るものが大半でした。

確かにこの非常時に、安易にいつも通りのゲームをやろうとするのは、周囲の納得を得られないでしょう。でも「開幕自体、論外」などと言うのも極論に過ぎます。そもそもセ・リーグのうち3チームは、名古屋、兵庫、広島に本拠地があり、今回の震災には直接関係ないのですから。

私としては、以下のような配慮、修正をした上で、まずは早期に開幕されることを望みます。

  • 東電管内でのゲーム数を減らす(3連戦を2連戦にするなど)
  • 東京ドームでの開催は、基本的に休日のデーゲームに限る
  • イニング間やグラウンドに関係ない部分での徹底した節電

他にセ・リーグは「延長戦なし」というのを打ち出してきていますが、これはさすがに極端かと。11回か12回くらいまでは、やってもいいんじゃないでしょうか。

春先にこうやって騒いでいますが、本当に問題になるのは夏場です。夏場は長期にわたって関東でのゲーム開催を見送らざるを得なくなると思います。それだけに、この時期の開幕はできるだけ実現してほしいのですよ。「そもそもプロ野球なんて、あってもなくてもいい」と思っている人には、この気持ち、わからないでしょうけど。

それにしてもこのプロ野球の件で、首都圏の人たちに「節電ファシズム」とでも言うべき雰囲気が生まれつつあることを感じました。大規模停電を回避するためにも、節電は必要です。けれど数字の裏付けなくヒステリックに「節電しろ!!」と誰彼なく求めるのは、あまり生産的ではないのではないでしょうか。それどころか「自粛」など社会が萎縮するムードを強めるだけだと思います。

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