阪神・淡路大震災では、ボランティアやNPOに脚光が当たりました。
おそらく、これらの分野の歴史を書くときには、あの震災は大きな分岐点・出来事として取り上げられることになるんだろうと思います。
同様に、今回の震災は「寄付」が日本に定着する上で大きな出来事だった、という風になりそうです。そしてNPOなど関係者は、阪神・淡路大震災との類比で、それを期待している(不謹慎かもしれませんが)ような印象を受けます。もちろん、私もその中の一人です。
思い起こせば、昨年末から今年初めにかけて、タイガーマスク運動が全国各地を騒がせました。あれは一種の前触れ、あるいは露払いのようなものだったな、と今にして思います。あの時は「一過性のブームで終わらなければ良いが」と思ったものでしたが、今はその懸念は薄らぎました。
恐らく被災者に寄せられる義援金の規模は、空前のものとなることでしょう。そして少なくともこの先数年は、日本人の寄付額は今までより顕著に増えるはずです。
望むらくは、この機会にできるだけ多くの人がNPOなどの活動に興味を持ち、ファンになってほしいですね。そしてできれば、お金もさることながら、知恵や労力も提供する、と。
ほぼ一年前には「無縁社会」という言葉が登場、いろんな議論を巻き起こした日本ですが、震災の経験は、やはり人々の結びつきほどありがたく大事なものはないな、と多くの人に改めて教えてくれたことと思います。長い目で見たときに、「2011年3月11日の前と後で、日本社会の質が変わった」となることを望みます。私自身も、それに参画せねば。