NNNドキュメント’11「無縁のきずな」

投稿者: | 2011-04-19

日曜深夜に日本テレビ系列でやっているNNNドキュメント’11は、社会の暗部をとらえたテーマが多いので、いつも注目しています。

一昨日17日は、「無縁のきずな」。名古屋にあるNPO法人きずなの会と、その利用者を追ったドキュメンタリーでした。NHKの「無縁社会」シリーズの一つ、と言っても過言ではない内容でした。

NNNドキュメント’11

高齢者の身元引き受けと生活支援を行う日本初の組織、NPO法人「きずなの会」。家族や親族と縁を断った人たちが病院や施設に入る際の身元保証から、万が一のときの葬儀・納骨までを有料で引き受けるいわば「家族の代行」だ。・・・「高齢者の消息に驚くほど無関心な家族」と「家族の世話になりたくない高齢者」初めて取材した2006年4年から4年の間に、会員はおよそ2倍の3800人に膨れ上がった。74歳の女性を通して絆を消失した社会の実情に迫る。

ポイントは、家族がいるにも関わらず関係を絶っている、ということです。それで老後や死後の世話を、第三者である同法人に委ねざるをえないんですね。

通常「無縁社会」というと、結婚しなかったとか、結婚したものの子供がないまま配偶者に先立たれたといった人を思い浮かべます。そういう人々も、当然これからますます増えるでしょう。それに加えて、こんな風に家族と生き別れる人も増えるとしたら・・・。無縁社会は、相当深刻なものになると考えないわけにはいきません。

ただしこの点は、留保が必要です。従来からそうした人はいたのだが、単に「受け皿」ができて顕在化したにすぎない、という可能性もなくはないからです。この辺は、引き続き注意して見守る必要があるでしょう。

きずなの会のホームページを見ると、「支援事業」として以下のようなものが列挙されています。

身元保証制度    
※入院、転院、転居…身元保証は親族の代行をする制度です。

葬儀支援    
※会員の希望により、きずなの会が喪主の代行をし、葬儀を支援します。

納骨支援    
※会員の意思を尊重し、会員の指定する場所・方法にて納骨支援をお手伝いします。

随時生活支援    
※随時生活支援の中には「一般支援」と「専門支援」、「緊急支援」があります。

後見制度    
※後見制度には2種類あります。1つは任意後見制度で、もう1つは法定後見制度です。

生活保護受給者への特別支援    
※生活保護受給者のアパート入居、施設入所、病院入院を支援します。

こうした包括的なサービスを行う団体は、各地で続々と生まれています。一部だけを気軽に利用できるようになれば、家族のない人、家族の世話が期待できない人でなくても利用するようになるでしょう(いわゆる「老老介護」の所帯とか)。

この辺に巨大な社会的ニーズがあることは、間違いありません。

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