生肉で食中毒

投稿者: | 2011-05-02

富山の焼き肉チェーン店で起きた集団食中毒、結構根の深い問題のようです。

これまでに男児2人が死亡しているのを始め、系列の3店で食事した計48人が食中毒症状を訴え、うち19人が重症となっているということです。

食中毒:焼き肉店で食事の男児2人死亡 O111を検出--福井・富山 – 毎日jp(毎日新聞)

福井、富山両県で同系列の焼き肉店で食事した男児2人が相次いで死亡していたことが分かった。2人からは病原性大腸菌「O111」が検出され、うち1人は生肉料理を食べたことが確認されている。死亡した2人を含め同系列の3店で食事した計48人が食中毒症状を訴え、うち19人が重症で、両県が原因を調べている。

厚生労働省や両県によると、集団食中毒が発生したのは焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の砺波店(富山県砺波市)と高岡駅南店(同県高岡市)、福井渕店(福井市)。福井渕店で食事をした未就学男児が4月21日、下痢や腹痛を訴えて入院。溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し同27日に死亡した。

また、同21日に砺波店で家族と食事した10歳未満の男児が同24日に嘔吐(おうと)などの症状を訴えて入院し、同29日にHUSで死亡した。生肉のユッケなどを食べていた。富山県は同店を27日から3日間の営業停止処分にした。

深刻というか構造的な問題なのは、このチェーン店自体、生食用でない肉をユッケとして提供、「アルコール殺菌で大丈夫だと思った」と言っているということです。ミスとか不手際というより、いわば「確信犯」なわけです。

アルコール殺菌で大丈夫と思った…焼き肉店側 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

同社に肉を卸販売している東京都板橋区の食肉販売業者によると、通常の食肉加工場から仕入れた肉を500~600グラムごとに切り分け、表面などをアルコール殺菌したあと、真空パックに入れて同チェーン各店に卸している。業者幹部は「あくまでも一般的な加工で、生食用ではない」とし、「殺菌処理はしているが、完全に無菌にすることは不可能」としている。

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同社商品部は「販売業者がアルコール殺菌した上で管理しており、生で食べても大丈夫だという認識だった」としている。

しかもこうしたことは、同チェーンだけでなく他の焼き肉店でもある、という話もあり・・・。こうなると、一業者の問題にとどまらず、業界の問題と言えそうです。

加熱用をユッケ…「業界の慣習」という証言も : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

牛肉を生で食べるなんて、一般的じゃありません。また、抵抗力の弱い子供や高齢者は、こうしたリスキーな食べ方は避けるのが賢明です。とはいえ、 死者が出たほどですから、この件は「食の安全」に関わる大事件となりそうです。食肉加工や焼き肉店の業界について、別の問題が次々と暴露される、なんて可能性もあるのではないでしょうか。

行政がどう対応するか。メディアがどう伝えるか。世論がどう考えるか。注意深く見守りたいと思います。私自身は過度に「安全」を追求するのには付いていけない立場ですので、落としどころというと言葉は悪いですが、現実的で多くの人が納得できる決着を望んでいます。行き過ぎたバッシングとか、ヒステリックな規制強化とか、そういうのは見たくないのですよ。

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