「仕事がなくなる!?」シリーズの各論、第二弾です。
(各論第一弾は、「兼職の時代」)
機械やコンピュータで人手が省かれる分野が多い反面、まだ当分の間は人によってやるしかないと思われる部分があります。人が人に対してサービスする対人サービスのお仕事です。よく引き合いに出される医療・介護はもとより、飲食業、ホテル・旅館業、エンターテインメント業などなど、挙げていけばきりがありません。
また、今はビジネスになっていないものも、今後まだまだ開発されて行くことでしょう。たとえば、少し前から都市部で「足裏マッサージ」が店を構えるようになったように。ついでに言えば、風俗産業も立派な(?)対人サービス業ですね。
こうした対人サービスのお仕事、ある種のものはマニュアル化・規格化され、アルバイトがほんの少しのトレーニングで従事したりもします。ファストフードやコンビニなどチェーン店の店員を思い浮かべていただくと良いでしょう。一方では、プロフェッショナルによるオーダーメイドのサービス、いわばかゆいところに手が届くサービスは、ますます価値が上昇するものと思われます。そんなサービスを提供できる「プロ」は、ますます高い賃金で雇われ、大幅に裁量を与えられることになるでしょう。
図式的に言うと、対人サービスでもある種のものは価値が低下し、別のものは価値が上がる、ということになりそうです。そしてそれは、同じ職種の中でも「付加価値」を生めるかどうかにより、二極化が進むということでもあります。たとえば同じ医師や弁護士でも、これからは能力や顧客満足度により、収入もステータスも「天と地」というくらいにかけ離れるようになるのではないでしょうか。
ともあれ、人が人に対して「サービス」できることは無限と言ってもいいくらい多様性があります。あとはそれがうまくビジネスとして回せるかどうか。もし他の分野で雇用が減るというのなら、社会全体として、この分野にもっと人手を掛けるようにすると良いのではないでしょうか。