目下の政局の焦点は「菅総理は、いつ辞めるのか」に絞られています。
2日の内閣不信任決議案は何とかしのいだものの、その過程で各方面に「口から出任せ」を言い過ぎました。結果として、永田町でも、一般の国民にも、「この人はダメだ」と認識させてしまった感があります。
策士策に溺れる、ではないですが、目先のピンチを乗り切るために弄した小細工が、菅直人という政治家への信用を決定的に損ねたとしか言いようがありませんね。「信無くば立たず」という言葉の意味を、今回心から実感させてもらいました。
私の菅直人評は、一言で言うと、「政策でも政局でも”勘”は優れているのに、それを実現するための手順や根回しがあまりに稚拙」というものです。消費税増税にしろ、TPP参加にしろ、今般の自然エネルギーへの傾注にしろ、ぶち上げてくる「タマ」は悪くないのですが、まずい出し方をしてくるので、結局はその実現の妨げになるという・・・。
あと震災の復旧・復興がらみで言えば、無原則に会議だの何だのを立ち上げまくったこと、官僚をうまく使いこなせていないことは、やはり「致命的」というほどのものだと思います。
ともあれ、「一定のメド」などというあいまいな言い方とはいえ退任に言及したこと、そしてその前後で卑怯な言いつくろいをしたことで、菅首相の退陣は「時間の問題」になったかと思います。臨時ニュースでいつ「菅首相、辞意を正式表明」と流れても、もはや驚くことはありませんよね。
安倍氏から5人、いずれも1年経つか経たないかで首相がお払い箱になる我が国。もちろん、これ自体が国益を損ねています。民主党にとっては、次の総選挙までに自党から首相を出す最後のチャンスでしょう。今度こそは、せめて2年程度首相の座にとどまれるだけの仕事をしてくれる人を選んでほしいものです。