これからの企業の目指すべきもの

投稿者: | 2008-05-09

企業の目的って何でしょうか。学校では「利潤の追求」と習いました。今でも「株主価値の最大化」とかいった表現で、それを肯定する向きがあります。でも今日日、そんな我利我利亡者みたいな姿勢では、顧客はおろか、(意識の高い)従業員の支持すら得られないでしょう。

私は、顧客に最大の価値を提供することこそ、企業の目的であり存在価値だと考えます。

価値と言っても、一頃のCSブームの頃に語られた顧客満足にとどまるものではありません。もっと根源的に、顧客の人生にとってプラスになるものを、自社の製品・サービスを通じて提供する。能う限り安い価格で。それこそ、全ての企業が総力を挙げて目指すべきことです。首尾良く行けば、適正な利益や従業員満足といったものも、一緒に果たされるでしょう。

もちろん、現在の企業から見て、これが夢物語に類するものであることは承知しています。ただそれは今の企業の平均的レベルが低すぎるからであって、このビジョンが間違っているということにはなりません。少なくとも、同業他社がいくらかでもこの理想を達成するようになれば、「そんなの寝言だ」なんて言っている企業は早晩没落するでしょう。上にも書いたように、顧客や従業員から見放されるのが目に見えてますから。さもなくば、顧客に訴求するものが低価格ということしかなくて、果てしなき消耗戦を強いられるだけです。

「我々が顧客に提供できる価値とは何か」「その価値を極大化するために何をすべきか」といった問いが、21世紀に生き残る企業にとって必須のものになるはずです。製品・サービスを高度化し、あるいはその幅を広げながら、相対価格は下げる。同時に、従業員にやりがいを感じさせる仕事をつくり続ける。

とんでもなく高度な要求に聞こえるかもしれませんが、成功の型みたいなものが確立されれば、大半の企業はうまくやれるようになるはずです。21世紀の経営学は、面白いものになりそうですよ。

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