着々と進む書籍のデジタル化

投稿者: | 2011-06-22

昨日はこんなニュースを目にしました。

米Google、大英図書館が所有する25万冊の書籍をデジタル化 -INTERNET Watch

米Googleと大英図書館は20日、同図書館が所有する25万冊の書籍をデジタル化することで提携した。著作権切れの書籍をGoogleがデジタル化し、英国版「Google Book Search(Googleブック検索)」および大英図書館のサイトから無料で閲覧できるようにする。デジタル化の費用はGoogleが全額負担する。

デジタル化するのは1700年から1870年までに発行された書籍や小冊子、定期刊行物。この中にはマリー・アントワネットに関する小冊子などが含まれている。主要な欧州言語の書籍に加え、オンライン上で自由に利用できる状態になっていない書籍を中心にデジタル化していく。

驚くような話ではないですが、過去の全書籍をデジタル化する、というプロジェクトが着々と進んでいるのだな、とうれしくなりますね。私は1970年生まれですが、私がこの世にいる間に、1970年までの人類史において発行された全ての著作(もちろん、全ての言語の)がデジタル化されているものと信じています。「現存するものに限る」という条件付きではありますが。

「版」による違いなど、学問的に厳密に考えれば、いろいろ詰めるべき部分はありましょう。それでも、過去に人類が生み出した知的産物の一切にアクセスできるようになる、ということの知的インパクトは、計り知れません。いつも書いていることですが、文字の発明に匹敵する「革命」だと言って差し支えないでしょう。

あとは、過去のそうした遺産にアクセスするのを助ける二次的な知的産物が、いろいろ生まれることを期待します。わかりやすい例で言えば、翻訳や現代語訳も、そうです。あるいは要約だったり、現代向けにリライトするとか。元の著作そのものは無料だけど、それを現代人に活きたものとして伝えてくれる同時代人にはお金を払う、なんてことも当たり前にあるかと思います。旅行に行ったとき、ガイドを雇うことをイメージしていただけばいいでしょう。

ともあれ、上記のような未来が実現した暁には、きっと人類には新たなルネサンスが訪れることでしょう。

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