松本復興相が辞任

投稿者: | 2011-07-05

ここ数日大騒ぎになっていた件、当人の辞任で一応の決着、ということになりました。

3日に岩手・宮城両県を訪れ、暴言を重ねたというのが、コトの発端でした。

asahi.com(朝日新聞社):松本復興相、岩手・宮城両知事にきわどい発言連発 – 東日本大震災

松本龍復興担当相は3日、東日本大震災の被災地である岩手・宮城両県を訪ね、両県知事と会談した。前日の福島県に続く就任後初めての被災地訪問だが、被災者の感情を逆なでしかねない発言を連発した。週明けの国会で野党が追及する可能性もある。

時事ドットコム:松本復興相の発言

松本龍復興担当相が3日の岩手、宮城両県訪問時と、4日に行った発言は以下の通り。

▽達増拓也岩手県知事との会談(3日)
(国は)知恵を出したところは助け、知恵を出さないところは助けない、そのくらいの気持ちを持って(ほしい)。
九州の人間だから東北の何市がどこの県か分からん。

▽村井嘉浩宮城県知事との会談(3日)
県で(漁港再編問題の)コンセンサスを得ろよ。そうしないとわれわれは何もしないぞ。ちゃんとやれ。
お客さんが来るときは、自分が入ってからお客さんを呼べ。長幼の序が分かっている自衛隊(村井知事がかつて所属)ならやるぞ。
今の言葉はオフレコだ。書いたらその社は終わりだ。

特に宮城では、「横柄」と言っていいような振る舞い。被災者はもとより、国民全体の憤激を招きました。まだの方は、映像の方を、ぜひ。

そして昨日、松本氏は記者団に釈明のコメントをしたのですが、これもひどいものでした。「反省の色、なし」というヤツですね。

松本復興相、言い訳「博多の人間」「B型で短絡的」 ― スポニチ Sponichi Annex 社会

政府の復興対策本部が入るビルの屋上で会見した松本氏は「このまま真っすぐ前を向いて復興に当たっていく」と述べ、辞任は否定。「結果として被災者の皆さんを傷つけたならおわび申し上げたい」と謝罪したものの「博多の人間ですけん。語気が荒かったりしたとは思う」「(私の血液型は)B型で短絡的。本意が伝わらない部分がある」などと言い訳した。会見前には夫人から謝罪するよう促されたという。会見場を屋上に選んだのは「外が好きだから」とし、報道陣から「サングラスは?」と質問されると「忘れた」と答えた。

で、野党や国民から反発を受け、メディアでも批判的に伝えられるようになるに従って、職務を継続するのは不可能になりつつありました。辞任は、時間の問題だったと言っていいでしょう。

そもそも松本氏自身は、復興相就任に乗り気でなかった、という説があります。就任以来、いきなりサングラス姿で現れてみたり、「チームドラゴン」を名乗ってみたり、「民主も自民も公明も嫌い」と言ってのちに謝罪に追い込まれたり、奇妙な言動が際立っていました。本人にすれば「こんな仕事、まともにやれるか」という思いがあったのかもしれません。

でも引き受けた以上は、職責をまっとうするのが政治家としての責任というものでしょう。まして復興担当大臣は、今の我が国で最も重要な職の一つです。いい加減な気持ちで引き受けたのだとしたら、被災者に対して失礼きわまりない話です。

今後野党は、菅首相の「任命責任」を追及することでしょう。それも良いのですが、できれば速やかに次の復興相を決めさせて、その人がまともに仕事するかどうかをチェックしてもらいたいものです。とにかく、復旧・復興をもっと急がないと。

ところで本件については、松本龍氏が部落解放に深い縁のある人だということも、一つの「要素」でした。メディアとしても、人物像や来歴をいっさいがっさいバッシングのネタにする、ということがしづらい(というより、できない)側面があったからです。仮に松本氏が職に居座ると、「やっぱり同和の人は・・・」みたいな話が出てこないとも限りませんでした。早期辞任は、その点でも良かった気がします。

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