ドナルド・キーンさん

投稿者: | 2011-07-11

著名な日本文学研究者のドナルド・キーンさんが、東日本大震災が起こったあと、日本への移住を決意されました。

東京新聞:ニューヨーク 教授の静かなエール:世界の街から(TOKYO Web)

でも、柔和な表情が消える場面が。東日本大震災の被害について聞かれた時だ。そもそも、日本への永住を決めたきっかけは、日本人を励ましたかったからだという。「私みたいなものは、移住するということでしか日本に恩返しできない。感謝の気持ちを伝えたかった」と謙遜した。

震災後、世界中から多くの支援物資が届いている。その中で「日本人になる」と言った人は、キーン教授が初めてだろう。

震災後も余震が頻発し、放射能汚染の恐怖もある日本から逃げ出した外国人は、少なくありません。でもそれを責めることはできないと思います。日本列島に命を懸ける「義理」は、彼らにはないのですから。

だからこそ、震災後も日本にとどまってくれている外国人、日本に来てくれる外国人には、心底ありがたいと思います。そしてキーンさんの場合は、極めつきでしょう。年齢的なことを考えると、「日本で人生の幕を閉じる」という決断なわけですから。しかも、「日本人」として(キーンさんは日本国籍取得の意向を示しています)。

そんなキーンさんにじっくりインタビューした6月29日の「クローズアップ現代」。何度も涙しながら拝見しました。

NHK クローズアップ現代 我が愛する日本へ

70年近くにわたり日本文学を幅広く研究し、世界に広めた功労者、アメリカ・コロンビア大学名誉教授のドナルド・キーンさんが、東日本大震災後、日本国籍を取得し日本に永住することを表明した。きっかけは、大震災による大きな打撃に苦しむ日本人と共に生きることで、これまでの日本への感謝を心から示したいのだと言う。その決意に、多くの日本人が勇気づけられた。18歳で「源氏物語」と出会い、その後、谷崎潤一郎や川端康成、三島由紀夫といった名だたる文豪とも親交を結び、日本文学に情熱を注ぎ続けたキーンさん。番組では、大震災後に日本各地の人たちからキーンさんに寄せられた感謝や激励の手紙を紹介しながら、日本を愛してやまないキーンさんの半生や、キーンさんをとらえて離さない日本の美しさとは何かに迫る。

文字に起こしたものがこちらで読めるので、ぜひどうぞ。

キーンさんを通じて、我々は日本文化や日本文学の素晴らしさを、もっともっと学んでいきたいものです。ぜひ長生きしていただき、文章や講演で、我々日本人にメッセージを授けていただきたいですね。

来日は8月末だそうです。大歓迎しましょう。

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