読売新聞は実家にいた頃、一人暮らしを始めた頃、愛読しておりました。
中でも楽しみだったのが、「人生案内」という人生相談のコーナーです。確か大正時代くらいから続いているそうで、読売新聞の名物コーナーです。ネットで「発言小町」が素人人生相談のメッカになっているのも、そうした実績あってのことでしょう。
さて先日、衝撃的な相談を見かけました。
死期近い夫の浮気許せない : 心身 : 人生案内 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
40代パート女性。1年半前、夫の浮気が発覚しました。その夫は今、がんで死期が近づいています。
浮気のことは偶然、夫の日記を見て知りました。相手とは3年前に仕事でメールをしたのをきっかけに関係が始まり、日記にはホテルに何時までいたということも書いてありました。
夫に問いただしても、言い訳ばかりで全く認めず、逆切れしたりしました。裏切られた私はつらくて体調を崩し、死も考えました。
それからしばらくして、夫ががんと診断されました。その後は悪化する一方で、主治医から覚悟するよう言われました。夫も3人の子どもも、病状については理解しています。
夫を看病しながら、浮気のことが頭から消えません。本当のことを夫の口から聞きたいのですが、死期の近い夫に問いただすのは酷なことでしょうか。浮気されたことによる私の苦しみを、夫に伝えない方がいいですか。悲しくて涙する日々が続いています。(Y子)
亡くなったあとに「秘密」がばれる、というのは時々あるようです。それと比べても、こうして浮気発覚と死期がほぼ同時に訪れるというのは、過酷な状況ですね。文面を読む限り、この人は夫をちゃんと看病してあげたいという気持ちもあるようですから、なおさらです。
ただ考えようによっては、亡くなる前に知ることができたのは、チャンスでもあります。自分の気持ちを伝え、夫から何か言ってもらうこともできるんですから。もちろん良い方に行く保証はないので、言うタイミングや言い方は、慎重に考慮する必要があるでしょうが。
映画やドラマに出てくるような美しい和解は、できないかもしれません。でも、わだかまりを残したままこれからの人生を生きるより、きっと良いんじゃないでしょうか。結婚して何年になるかはわかりませんが、夫婦の間には喜びも幸福もあったはず。それらを肯定するためにも、夫が存命の間に、この件に何らかの「決着」が付くことをお祈りします。そして、残された日々がお二人にとって幸せなものとなりますように。