金持ち寄付せず?

投稿者: | 2011-09-01

ある「匿名ダイアリー」が話題になっています。

日本の金持ちにノブレス・オブリージュがないただ1つの理由

まず確認しておくべきは、「ノブレス・オブリージュ」は貴族など身分上特権的な地位にある者についての話だということです。つまり世襲の財産を持つ人たちなんですね。それに比べると、筆者の兄上は「成金」に近いんじゃないでしょうか。同じことを要求するのは、端から筋違いかと。

とはいえ、欧米では一代でのし上がった人も、それなりに社会貢献しているように見えます。日本と欧米に違いがあるとしたら、どんなことでしょうか。

  • キリスト教精神が今も残っている
  • 金持ちの慈善活動を讃える文化がある
  • 富の程度が、日本とは桁違い
  • 税制など社会の仕組みが有利

これに付け加えると、戦後、さらには平成の日本における新興のお金持ちって、社会やコミュニティから切り離されたところで発生したため、というのも考えられます。自己責任ならぬ自己努力によって富を獲得した、社会や他人の世話にはなってない、と思っている人が多い、ということなんではないでしょうか。それどころか「自分は社会にバカにされ、嫌われながらも、こうして成功した」という自負を持っている人が少なくないのでは、と思います。

一言で言えば、日本社会における成功の階段そのものが、成功者に社会貢献しようという気にさせないような構造を持っているのではないか、とうことです。一部のIT起業家が社会起業家に対して敵意をむき出しにするのも、その現れではないでしょうか。

「寄付文化を育もう」といった甘い言葉では、この構造を打破するにはあまりに力不足かと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください