２年前の衆議院総選挙で、私は民主党に投票しませんでした。
そして、政権交代後にできた鳩山政権、菅政権も、一度も支持したことはありません。もちろん、個別の政策に賛成、ということは何度もありましたけど。
そして民主党政権下で３人目の首相として、野田佳彦氏が就任。おととい内閣が正式に発足しました。
野田さんが選ばれたことで期待感が強くなっていたのですが、正直、閣僚の顔ぶれには失望しました。あまり過大な期待は持たない方が良さそうです。また民主党には、世が世なら社会党にいたであろう人がまだまだたくさんいるんですよね。「保守二大政党時代の到来」というのは、これから先も当分は実現しそうにありません。
さてそんな私ですが、今の時点では「政権交代して良かった」と思う面があります。それは、民主党がやってみたことで「自民党じゃなかったら・・・」という過去の幻想や夢想がかなり打破されたと考えるからです。国政に与ってみれば、責任ある政党や政治家のとり得る選択肢は、自ずと限定されてくるのだ、と。
安倍政権以来の我が国の政治は、ずっと不安定でした。でもこうしたプロセスを経て、二大政党時代の「憲政の常道」みたいなものが確立されていくんでしょうし、またそうでなくては困ります。
この辺のことについて、外交評論家の岡崎久彦氏が産経新聞に寄稿していました。ご一読を強くおすすめします。
【正論】元駐タイ大使・岡崎久彦 国家を玩具にした時代の終わり – MSN産経ニュース
最後に一言。「総理には誰がなっても同じ」という言葉をよく聞きます。私は、これには賛成できません。能力のある政治家・人気のある政治家がトップに立てば、政策を実行する「推進力」が違ってきますから。現状を見れば仕方ない面もあるとはいえ、有権者が無力感・絶望感に陥るのは、民主主義の危機です。