ノマド論がはやってますが・・・

投稿者: | 2011-09-06

最近、ネット上で私が注目している若者たちの間で、「ノマド」というのが流行語です。

もともと遊牧民を意味する言葉ですが、都市型の「非定住民」を指す言葉として使われています。私の見るところ、「ノマド論」には働き方・ワークスタイルについてのものと、生き方についてのものに分けられそうです。

前者は、固定されたオフィスではなく、カフェなど都市の施設や設備をフルに活用して、柔軟な働き方を実現するもの。後者は、住むところを固定的に考えず、それこそグローバルな視野で、自分の住む場所・住み方を発想する、というものです。

正直、昭和以前の価値観もたぶんに引き継いでいる私には、ピンと来ないところが多々あります。その時々の自分及び家族が選択した結果がノマド的になるのはいいと思うのですが、ノマドをことさらに持ち上げたり、果ては「定住民」をバカにしたりするのはどうかな、と感じます(「定住難民」という言葉には、ドン引きしました)。一言で言えば、ついていけないというか・・・。

以前にも書いたように、シェアハウスなどの住まい方にはあまり関心がありません。また基本的に、帰る家や働く場は固定されていた方が精神的に落ち着くタイプです。生活の機能を都市からアウトソーシングしたり、セカンドハウスのようなものを持つことには興味がありますが、それも基点となるオフィスや家があってこそ、だと思うんです。

とはいえそんな私でも、年上の世代とは価値観が違うな、と感じるところはあります。「マイホーム」、それも一軒家のマイホームをほしいとは思いませんし、そのためにウン十年の長期ローンを組むのも考えられません。一生賃貸でもいいじゃん、という感じですね。それに関連して、自分の気に入った街を見つけて住みたい、という願望もあります。ただそれはグローバルなものではなく、あくまで首都圏のどこかの「街」という限定になるんですけど。

年を取って保守的になって来ている面もあるでしょう。ただ一方で、安定した暮らしや働き方を求める人の欲求は、かなり根強い「本能的」なものなのではないか、という気もします。今ノマドを吹聴している若者たちが、20年後30年後も同じことを言っているかどうか、やや疑問に思います。

ノマド論がはやってますが・・・」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: ノマドとか評価経済とか | 志の輪、広げよう。

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