非常に興味深い記事を読みました。
米国女子に蔓延する「お姫様」シンドローム まるでAKB48?ディズニーのプリンセス商法が大当たり
女の子たちが、こういったやや古風な意味の「女の子らしさ」を求め、自らを「かわいく」着飾り、お転婆なことはせず、ひたすらルックスやファッションに情熱を注ぐ風潮を「ガーリーガール文化」という。直訳すれば「女の子女の子している」である。彼女らが尊敬し、目指すのは「お姫様」だ。
彼女たちの母親の中には、フェミニスト運動の影響が色濃く残る時代に育った女性たちがかなりいる。ピンク色を軽蔑し、女の子らしく振る舞うよう強要されることに反発し、運動でも勉強でも男の子と対等にやり合い、勝つことが重要だった。やがて大人になり、キャリアウーマンになってバリバリ働き、やっと仕事が一段落した40歳前後で高齢出産して母親になっている。
この母親たちが、フリフリのドレスとティアラで着飾って夕飯を食べている娘たちを見ながら、説明のできない居心地悪さと、ガーリーガールの風潮が娘たちの精神的な成長に影響するのではないかという強い不安に苛まれている。かといって「それはいけないことだ」と叱るはっきりした理由も見つからない。
母親の「価値観」と、娘の「好み」の間に生じているズレ。そしてそれはディズニーなどの周到な戦略に基づいている、というお話です。こうした流れが実際米国社会にどの程度広がっているのか、とか、筆者の描くような「図式」でうまく説明できるのか、というツッコミ、検証はあってしかるべきでしょうね。
それにしても、娘のプリンセス症候群に母親が戸惑う、というところにはいろいろ興味を惹かれるものがあります。父親と息子の間には、こうした形での「葛藤」はあまりなさそうなこと。今のところ日本にはこうした流れは来てなさそうなこと。そして何より、母親たちの世代が生きていく中で育んできた価値観が、商業主義によって脅かされているということ。
そもそも今の働く母親たち自身、専業主婦だった母親に飽き足らないものを感じて、自分の人生を切り開いてきた、という自覚があることでしょう。それを娘に暗黙のうちに否定されることになるとしたら、皮肉というか何というか。それを思うと、日本でも雇用機会均等法以後の世代では、こうした母子の価値観の葛藤、みたいなことが起こっても不思議ではないかもしれません。
ぜひ10年後、20年後に「その後どうなったか」を聞いてみたいですね。