Amazonが図書館の本を電子書籍として貸し出し

投稿者: | 2011-10-13

もちろん、日本ではなくアメリカでの話です。

アマゾン、全米1万の図書館とKindle電子書籍の貸し出しを開始 — Engadget Japanese

米 Amazon が、図書館から Kindle 電子書籍を借りられるサービスの開始を発表しました。全米1万1000の公共図書館のウェブサイトから図書館カードを使ってログインすることで、Kindle形式の電子書籍を借りることができます。借りた本は電子書籍リーダーのKindleデバイス全モデルのほか、iOS や Android などの Kindleアプリで、あるいは対応ブラウザ上の Kindle Cloud Reader で読むことが可能。

借りられる本の冊数や期間には限定があるというものの、図書館に行かずに借りられる点、 「書き込み」ができる点は、電子書籍ならではのメリットです。

ただ公共図書館がこういうのをやってしまうと、繰り返し読む本や研究などに使う本を除き、多くの本は買わないで図書館で済ませよう、ということにならないでしょうか。出版業界にとっては大打撃じゃないですかね。少額でも(たとえば一冊につき数十円)の利用料を徴収し、著者に還元する仕組みを作るべきだと思います。この辺、カラオケボックスの著作権料回収モデルが参考になるのではないでしょうか。

もう一つ問題になるのは、図書館の役割です。「書庫」というものを持たずに利用者がネットを通じて勝手に本を借りていってくれるのであれば、物理的な図書館、そしてそれを管理・運営するスタッフはほとんどいらないんじゃないか、ということになりかねません。現に、私がTwitterでフォローしている図書館関係の方も、そうした危惧を漏らしておられました。

紙の本が、すぐなくなるわけではありません。また電子書籍一色の世の中になっても「場」としての図書館が求められることも考えられます。ただ、図書館が役割を再構築するべき時が間近に迫っているのは間違いないでしょうね。お尻に火が点きつつある、とでもいうか。そして似たようなことは「大学」という施設にも言えるはずです。

ネットの世界では少し前から「チープ革命」なんてことが言われていました。知のデジタル化とネット化は、「知のチープ革命」をもたらすような気がします。受け手としては天国、働き手としては地獄、かもしれませんね。

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