Eテレでやっている「さかのぼり日本史」、今月は江戸時代を扱っています。
先日11日の分は、天明の大飢饉をきっかけに、幕府はもとより各藩においても、「民生」を重視した政治が行われるようになった、という話でした。
江戸 “天下泰平”の礎|今月の放送|さかのぼり日本史|NHK
戦乱の時代に終止符を打ち、260余年に及ぶ泰平の世を築いた徳川政権。幕末に渡来した外国人は一様に、東洋の外れの小さな島国の人々の満ち足りた様子に驚嘆した。彼らが目にしたのは、「拡大・成長を追い求めない成熟社会」、「質素倹約を旨とする、つつましくも心豊かな社会」だった。こうした江戸・徳川期の“安定社会”はいかに築かれたのか。
古くは「生かさぬように、殺さぬように」などと言って、江戸時代の政治は搾取をこととしていたかのように思われてきました。けれどもそれでは、民が細るとともに税収の基盤も崩れていきます。長期安定政権を実現しようと思えば、民草の暮らしを良くせざるを得ない、というのは古今東西普遍の真理でしょう。
さて21世紀の今の時点で、「善政」とはどういったものでしょうか。
- 税金が出来るだけ安い
- 内外の脅威から安心して身を守られている
- 経済や社会が安定している
- 政府のやろうとすることが明快で、必要なら異議申し立てが出来る
私なりに考えるに、上記のようなことが挙げられます。古くから言われる「鼓腹撃壌」にあるように、庶民が政治にそれほど関心を持たなくても、日々の暮らしを楽しむことができるというのが理想でしょう。政治に熱くなって、街頭行動に繰り出したり、命がけで戦ったりしなければならないというのでは、不幸です。
現在の我が国はさまざまな懸案について意見が割れ、いわば立ち往生しているようなありさまです。ここは一つ、「求めるべき善政」について議論し、意見を統一することから始めてはどうでしょうか。