TPP騒ぎも一段落

投稿者: | 2011-11-12

昨日、野田首相がTPPの交渉への参加を正式に表明しました。

「交渉参加に向けて関係国との協議に入る」という、遠回しというかあいまいな表現ではありますが。

野田総理の演説・記者会見等 -首相官邸ホームページ-

TPPへの交渉参加の問題については、この間、与党内、政府内、国民各層において活発な議論が積み重ねられてまいりました。野田内閣発足後に限っても、20数回にわたって、50時間に及ぶ経済連携プロジェクトチームにおける議論が行われてまいりましたし、私自身も、各方面から様々な意見を拝聴をし、熟慮を重ねてまいりました。この間、熱心にご議論をいただき、幅広い視点から知見を提供いただいた関係者の皆さまに心から感謝を申し上げいと思います。

私としては、明日から参加するホノルルAPEC首脳会合において、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入ることといたしました。

この一週間あまり、政治をめぐる話題はほとんどTPP一色でした。ネットでも、特に反対派の人が盛んに声を上げていたように思います。一時期原発をめぐって議論が盛り上がった時期がありましたが、今回のTPPは間違いなくそれ以上で、まさに「国論を二分」の感がありました。まぁ国民全体で見れば、この問題に熱くなっているのはごく一部の人に限られるでしょうけど。

貿易交渉に入る前から賛否両論が激しく戦わされ、デモが起こったりする。聞くところによると、これは異例なことのようです。通常は、交渉が妥結して国内での承認などをめぐって紛糾するものだそうで。それだけ、反対派の気合いが入っていたということでしょう。その反対派も、自分たちの職業的利害が冒されることに抵抗する人もいれば、日本がアメリカに支配されるのを危惧する人、日本の社会や産業が壊滅するのを恐れる人など、いろいろいたようです。

率直に言って、今回の騒動の間、反対派と推進派の間で議論が深まった、ということはほとんどありません。互いにいがみ合い、軽蔑し合うことに終始した印象です。ただこうした国家の重大問題を通じて、各自が自分の考えを深めることはひとまず良いことでしょう。開国か攘夷か、といった二者択一ではなく、緩やかながらも国民的コンセンサスのようなものが生まれてくることを期待したいものです。それは、本件に限らず、社会保障制度改革や財政再建の問題についても同様です。

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