著作権やコンテンツの2012年

昨年の暮れ、7人の作家・漫画家がいわゆる「自炊代行」の業者に差し止めを求める訴えを起こし、ネット上でも大きな話題となりました。

東野圭吾氏ら作家7人、書籍スキャン“自炊”代行業者を提訴 -INTERNET Watch

東野圭吾氏や弘兼憲史氏ら作家・漫画家7人が20日、裁断機やスキャナーを用いて書籍を電子化する、いわゆる“自炊”の代行業者2社を相手取って、スキャン行為の差し止めを求める訴えを東京地方裁判所に提起した。

訴えられたのは、「スキャンボックス」を提供する有限会社愛宕(神奈川県川崎市)と「スキャン×BANK」を提供するスキャン×BANK株式会社(東京都新宿区)。原告は2名のほか、浅田次郎氏、大沢在昌氏、永井豪氏、林真理子氏、弘兼憲史氏、武論尊氏。

原告側は、不特定多数の利用者から注文を受け、多くの書籍をスキャンして電子ファイルを作成し、納品する行為について、書籍の著作権者の許諾なく行うことは、著作権法の複製権侵害に該当すると指摘。

こうしたことから作家122人と出版社7社は9月、スキャン事業者98社に対して、自らの作品をスキャンして電子化することは許諾しない旨を書面で通知。あわせて、サービスの存続意志を質問書で確認していた。

その結果、事業者の多くは「差出人作家の作品について、今後スキャン事業を行わない」と答え、その後に事業を停止していた。しかし、今回訴えられた2社を含む一部事業者は、「今後も依頼があればスキャン事業を行う」と回答。原告側は、特に悪質と考えられた2社が、今後も著作権を侵害する恐れがあるとして、差し止めを請求した。

ネット上では、この原告を非難する声が大多数です。攻めるポイントがおかしいとか、利権の擁護に必死だな、といった受けとめ方です。一方、著作権の専門家の中には、業者の行為は著作権法違反だと認められる可能性が高い、と指摘する声も少なくありません。

デジタル時代を迎え、コンテンツの制作~流通・販売の流れが、アナログの時代とは大きく変わりつつあります。音楽はかなり移行が進みましたし、映像も部分的にはかなり進みつつあると言って良いでしょう。それに比べるとマンガを含む書籍は、期待ほどデジタル化・電子化が進んでいません。

別にすべての出版社・著作者が従来の「利権」なるものを守りたい、変化に背を向けたい、と思っているわけではないでしょう。ただ書籍に関しては、作り手の側と受け手(つまり消費者)の側との意識や認識のギャップがことのほか大きい、という印象です。互いの間に対話が成り立たないほどに。

2012年は、デジタル時代のコンテンツや著作権のありかたはどうあるべきか、さらに活発に議論されることでしょう。新しいサービスが登場して、現実が制度の先を行く、ということも大いに考えられます。基本的には、作り手もハッピー、受け手もハッピーな方向に進むことを期待したいですね。そしてゆくゆくは、作り手になるハードルが下がり、受け手も制作に一定の影響を与える「みんなでコンテンツを作り、育てていく」といった社会が実現することを望みます。個人的には、不可避な道だと思っていますが。

当ブログでも、この辺のネタは積極的に取り上げるつもりです。「コンテンツ」や「著作権」、ことしも熱いテーマになることは必定ですよ。

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