「紅白」を観て思ったこと

投稿者: | 2012-01-06

年明けから一週間近く経つので、これまた時節外れな内容ですが、ご容赦を。

NHKオンデマンドで公開されたのが翌元日のこと。都合3度に分けて観て、見終わったのは一昨日のことなんです。ほとんど飛ばすことなく全編を見通しましたからね。

今回の紅白は何と言っても、震災の年の紅白。出演者の選定、その出演者が歌う曲の選定、審査員、その他いろいろな企画についても、震災のことが色濃くにじんでおりました。こればかりは良いも悪いも、そうならざるを得ないでしょうね。ただ全体としては感傷に流れることなく、未来への希望を前向きに歌う歌手の皆さんばかりで、気が滅入るようなことはありませんでしたね(一部に例外はありますが・・・)。

そんなこんなで「定番曲」が歌われたことの多かった2011年の紅白。徳永英明の「時代」や松田聖子・神田沙也加母娘の「上を向いて歩こう」のように名曲のカバーもありました。それでもやはり、2011年の歌というと「紅白で初めて聴く」というものが少なくありませんでした。自分が子供の頃では考えられないことです。

これはもちろん、自分が年を取ったせいもあるでしょうが、国民全体に共有されるヒット曲というのが成り立たなくなっているためと思われます。「歌は世につれ」と言いますが、ヒット曲が世の中全体を反映するものではなくなっているんですよね。AKB48や、白組の司会を務めた嵐などは「国民的アイドルグループ」と言っていいと思いますが、それでも彼らの楽曲を繰り返して聴いているのはほとんどファンのみに限られてしまうのではないでしょうか。

このことを良いとか悪いと言っても仕方ありません。ただ70年代80年代の歌謡曲や演歌をいささかなりと知る者にとっては、寂しい社会だな、と思うばかりです。今の若者や子供たちが年老いたとき、世代の同じくする者のさらにその一部の人としか、「懐メロ」を共有できないのではないでしょうか。当の若者には、「そんなもの、共有して何の意味があるの?」と言われそうですが・・・。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください