消費者の喜ぶことは常に善、だろうか

投稿者: | 2012-01-17

企業であれば、消費者のニーズさらにはウォンツに応えていくのは当然のことです。でなければ、存続することができませんよね。

ただ、消費者の「欲望」に応えること、さらにはそれを煽ったり助長したりするのが倫理的に見てどうなのか、というケースはあるように思います。私がこうした時に例としてよく思い浮かべるのは、味は美味しいけれど健康にはとても悪い食品を提供するメーカーやレストランですねぇ。悪質なケースになると、不健康な上に嗜癖性・中毒性のあるものを提供するとか。「儲かれば良いのか?」「君たちには、職業人=プロとしてのプライドはないのか?」と言いたいですねぇ。

まして本音では「ウチの製品(やサービス)、自分では買おうと思わないし、家族や友人にも勧められない」と思っているとしたら、もはや堕落と言わざるを得ません。

消費者の低次な欲望に応えるとか、長い目で見て消費者自身のためにならないものを、いわば錯覚・詐術によって売りつけるのではなく、消費者のより高次な欲望の応えるもの、長い目で見て消費者自身のためになるものを、お互い納得ずくで取引する。これからの企業は、後者に向かわざるを得ないと考えます。

それは何も綺麗事とか夢想ではありません。前者のようなていたらくでは、従業員のモラールが振るわないでしょうし、ソーシャルメディアが浸透している昨今、すぐに見抜かれて評判を落とすだろうからです。

真剣に仕事をしていれば、自社の製品・サービスについて語らせたら一晩でもしゃべり続ける、というくらいの勢いがあるはずです。さすがに一晩付き合うのは無理ですが(笑)、企業そして企業人のそんな思いが伝わる製品やサービスをできるだけ選んでいくようにしたいものです。一消費者としては。

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