今朝の産経新聞に、ややショッキングな記事が。
【東日本大震災】「お化けや幽霊見える」 心の傷深い被災者 宗教界が相談室 – MSN産経ニュース
「お化けや幽霊が見える」という感覚が、東日本大震災の被災者を悩ませている。震災で多くの死に直面した被災者にとって、幽霊の出現は「心の傷の表れ」(被災地の住職)という見方もある。だが、行政に対応できる部署はなく、親族にも相談しづらい。心の傷を癒やすよりどころになろうと、宗教界は教派を超えて取り組んでいる。
被災地では震災直後から密かに語られていたことのようですが、地元メディアはいざ知らず、全国的な大手メディアが正面から取り上げたのは、これが初めてじゃないでしょうか。お化けとか幽霊の話。
この記事をきっかけに、「実は自分も・・・」と口を開く被災者の方が出るかもしれません。あと、他のメディアもいわば「解禁」状態となって、こうしたネタをこぞって取り上げるようになるとか。
そもそも大きな災害や事故の時にこういう話が出るのは、決して稀なことではありません。とはいえ、今回の震災の被害の大きさ、そして生き残った被災者の方々が受けた痛み・悲しみ・衝撃を思うと、今さらながら胸がしめつけられるような思いがします。
記事では宗教家の方の言葉がいくつも引用されています。
「いる、いないは別にして見ているのは事実。みな、心の構えがないまま多くの人を亡くした。親族や仲間の死に納得できるまで、上を向けるようになるまで、宗教が辛抱強く相談に乗っていくしかない」
「多くの人が亡くなり、幽霊を見るのは当然。怖がらないでください」
「幽霊について悩むことは、亡くした家族のことから少し離れて生と死を考えるきっかけにもなる。そこから生の世界で前に進む姿勢を示せるようになることにつながればいい」
「幽霊なんて」と頭ごなしに否定するのではなく、見えるものは見えるものとして受け入れるという姿勢ですね。これはやはり、お坊さんたちも被災していて被災者の思いがわかるからこそ、でしょう。焦って打ち消したりするのではなく、時間の経過とともに和らぐというか薄れるのを待つしかないんでしょうね。
被災者の方同士が見聞を共有するのは、一つの助けになるのではないかな、という気がします。