価値観の対立。EとSと

投稿者: | 2012-02-10

ネットの一部で、激しい対立、時に罵り合いのようなものが繰り広げられているようです。

私も、一部始終をチェックしているわけではないのですが。

参考記事:
「評価経済社会」への移行期における併存する価値観と、議論することの不毛さ【湯川】 : TechWave
tykのノマド日記: 経済成長と評価経済のボタンの掛け違いはどこにあるのか?

古くから社会心理学ではリーダーシップの分析に「P」と「M」という軸を用います。PはPerformanceで、目的の達成に突き進む、という感じでしょうか。MはMaintananceで、集団・組織の和を保つ、という感じ。

それになぞらえて言えば、今の日本社会には「E重視-S軽視」と「S重視-E軽視」の人の間に対立が生じているように見受けられます。EはEconomy、SはSocial(もっと言えば、Social good)ですね。平たく言えば、「儲けてナンボ」の人と、「世のため人のため」の人とでも言いましょうか。互いに相手方を軽蔑し、敵意を持っているようです。

一時期IT系のベンチャー起業家が「社会起業家なんてクソ」みたいな言辞を相次いで漏らしていました。これも同様の構図でしょう。ついでに言えば、世代間対立という面もあるような気がします。E重視の人は30代後半以上の世代に多く、S重視の人はそれ未満の世代に多い、という印象です。

私はどちらかというとS重視なのですが、それでも時にS重視の方々がEを極度に軽視するのに「付いていけないな」と感じることがあります。凡庸ではありますが、EもSも、というのが我らの進むべき道なのではないでしょうか。ちょうど二宮尊徳の言う「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」という言葉のように。

EもSも、というのは口で言うのは簡単です。でもそれを両立する道筋というのは、まだ今の日本社会の中で強い潮流となっているとは言えません。当面このブログでも、このテーマに関する話題やアイデアを取り上げることが増えるかもしれません。いや、そうでなければならない、という気がしています。

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