ベーシックインカムがダメな理由

投稿者: | 2012-02-17

大阪維新の会が策定を進めているという「維新版・船中八策」。

社会保障制度改革の項にベーシックインカムが含まれるということで、一部で関心を集めています。

参考記事:
【激動!橋下維新】「船中八策」8つの柱、概要固まる – MSN産経west

ベーシックインカムについては、過去に二度、反対の趣旨の記事を書いています。今の時点でも、私の立場は断固反対、絶対反対です。

ベーシック・インカムなんて、論外だ | 志の輪、広げよう。(2009-12-18)
ベーシックインカム反対論 | 志の輪、広げよう。(2011-08-01)

後者の内容と重なるのですが、なぜベーシックインカムがダメか、改めて書き出してみます。

働く人が減る
はっきり言って、私としてはこれで「はい、論破」てなものです。他の項目については、ベーシックインカムの設計・運用である程度カバーできるところもあるでしょう。でもこれについては致命的と言っていいかと。生産年齢人口がこれから急速に減っていく我が国では、働き手の確保は経済面での最重要課題です。これがうまく行かないと、労働減→収入減→消費減→企業活動減という悪循環に陥ることでしょう。その視点からするとベーシックインカムなど、私に言わせれば「逆噴射」です。

巨額の財源が要る
ベーシックインカムは、原理に忠実に運用すれば「小さな政府」をもたらすかもしれません。でも動くお金は毎年数百兆になります。そんな巨額の財源を、どこに求めるのでしょうか?もちろん計算上では、相続税100%だの所得税50%だの消費税25%だの、好き放題言えます。でもその財源に、国民的理解が得られるでしょうか?「それなら、こっちから」みたいな話が出てきて、まとまらないのではないでしょうか。

既存の年金制度と整合性がなく、導入するとしても長期間併存せざるをえない
ベーシックインカムをやめたからと言って、既存の社会保障制度体系の中で約束してきたものは、すぐにカットするわけにはいきませんよね。特に年金は。

すべての生活保護・障害者福祉等を一元化できるはずがない
これも、私としては自信持って言える話です。ベーシックインカムは「シンプル」が売りですが、実際にはカットしきれないものが多々あると思います。私が思いつくものとしては、単身高齢者の生活保護と障害者福祉です。ベーシックインカムを与えてあとは知らん、というわけには、行かないでしょう、人道的に。

日本には「冒険」する余裕はない
さすがにこれは、私の主観です。それは認めます。でも、今の日本には、こんな風に成功するか失敗するかわからない、というより失敗可能性の高い政策を「一か八か、やってみるか!」なんて試す余裕はないはずですよ。。。

維新の会にしろベーシックインカムにしろ、それを推進したり支持されている人たちは一種の「革命願望」をお持ちなんでしょう。でも自分はさしあたり、現状から地道に改革・改善を重ねていく方を選びたいと思っています。

ベーシックインカムがダメな理由」への3件のフィードバック

  1. Mistw00w

    働く人が減る → 賛否両論、中立案としては総数はさほど変化なしの意見
    巨額の財源が要る → これも賛否両論、一概に不可能とは言えないし、支給額にもよる既存の年金制度と整合性がなく、導入するとしても長期間併存せざるをえない
     → 新しい制度を導入するならば避けて通れない議論で、これを理由に反対するなら新しい制度は何一つ取り入れられないすべての生活保護・障害者福祉等を一元化できるはずがない → 全てじゃなくても多くは一元化できるし、その部分に関してはコスト削減などの効果も期待できる日本には「冒険」する余裕はない → 悠長に今の制度でやっていく余裕もあるかと言われると微妙

  2. Youもフリーランスで生活しない?

    働く人が減ると収入が減るという理屈が分かりませんね。だいたい、ここでいう収入ってどの単位での収入なんだろうか?国全体?家庭ごと?個人?そもそも、私は働く人はほとんど減らないと思いますし、仮に減ったとしてもそれのどこが問題なのか?と思います。

  3. ピンバック: 「ベーシックインカム待望論」に思うこと | 志の輪、広げよう。

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