しつこくこの話題。
私が懸念するのは、休眠口座活用がNPO等の寄付獲得に悪い影響を及ぼすのではないか、ということです。
まず、受け入れるNPOの側。ネコババは不正確にしても、濡れ手で粟のようなお金がNPOセクターに流れ込めば、寄付獲得の努力が鈍るのではないでしょうか。寄付を得るということは、単にお金の面だけでなく、自分たちの組織を律し、デザインして行く上で良い試練となります。簡単にお金が流れ込む仕組みができてしまうと、その点が甘くならないでしょうか。
次に、寄付する側。休眠口座からいわば不労所得が流れ込んでいることを知れば、寄付する気持ちが鈍らないでしょうか。少なくとも私は、そうした気分になります。一部のNPO関係者は「寄付”市場”10兆円」を目標として掲げておられます。でも数百億円のお金が簡単に流れ込むようになれば、その何分の一かで成長が止まってしまうような気がします。
先のエントリーで「休眠口座は、NPOにとって毒リンゴ」と言いました。毒リンゴでも毒饅頭でもいいですが、日本のNPOセクターの健全な成長・育成にとってはむしろ妨げになる。そうした危険性はかなり高いと、私は見ています。正々堂々と、寄付の集まるNPOを創っていきましょうよ、NPOのみなさん。